新しい化学反応の開発は、人類の繁栄や環境問題と密接に関わっています。その代表的な例である、2010年にノーベル化学賞を受賞したクロスカップリング反応は、医薬品の約20%、液晶や有機EL材料のほぼ全ての生産に利用され、年間約60兆円規模の産業に関わっています。この例からもわかるように、新しい化学反応の開発は社会に大きな影響を与えるのです。化学反応創成研究拠点(ICReDD/アイクレッド)は2018年10月に文部科学省「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」に採択され、北海道大学に設置されました。計算、情報、実験という異なる分野の研究者がそれぞれの強みを活かして協力しあいながら分野融合型の研究を行い、化学反応を自在に設計することを目標にしています。化学反応の自在設計のためには、あらゆる段階での横断的な異分野連携が必要であり、この新たな融合研究を推進するために誕生したのがICReDDです。