30by30(サーティバイサーティ)は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際的な目標です。北海道大学は、広大なキャンパスや総面積約 70,000ha(我が国の国土面積の約 0.2%)に及ぶ研究林など多様なフィールドを保有し、長年にわたり教育・研究・管理活動を積み重ね、生物多様性の保全に寄与して参りました。気候変動対策と生物多様性保全(ネイチャーポジティブ)の両立に向けた統合的なサステイナビリティの推進に向けて、2022年6月、国立大学としては初めて、「生物多様性のための 30by30 アライアンス」に参画し、次の活動を行っています。

自然共生サイトへの申請・認定

自然共生サイトは、民間の取組によって生物多様性の保全が図られている区域を国(環境大臣)が認定した区域で、既に鳥獣保護区となっている地域との重複を除いた区域がOECM*¹国際データベースに登録されます。
北海道大学では下記の区域を申請し、認定されています。

  • 雨龍研究林*²(24,953ha) 認定日:2023 年 10 月 25日(水)(令和5年度前期認定サイト)
  • 札幌キャンパス*³(126ha) 認定日:2024年3月18日(月)(令和5年度後期認定サイト)

用語

*¹ OECM
Other Effective area-based Conservation Measuresの略。国立公園などの保護地域以外で生物多様性保全に資する地域。

*² 雨龍研究林
雨龍研究林は、北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーションに属する道内外計7ヶ所の研究林の一つ。1901年創設。我が国有数の多雪地帯に位置し、絶滅危惧種であるイトウなど貴重な野生生物の生育地。同林には、アカエゾマツなどの常緑針葉樹やミズナラ、シラカンバなどの落葉広葉樹が混ざって生育している針広混交林が成立しており、これまで環境省のモニタリング1000事業などの、生物多様性に関する基礎的な情報を長期に収集することを目的とした研究、深刻化する気候変動対策に関する研究、生物多様性に配慮した森林管理が進められてきた。今後は、同研究林内で既に鳥獣保護区となっている地域(698ha)との重複を除いた区域(24,255ha)がOECM国際データベースに登録される予定です。(2024年2月13日現在)

*³ 札幌キャンパス
敷地内に広⼤な⽣物⽣産研究農場や研究林(実験苗畑)があり、市街地にある⼤学キャンパスとしては全国屈指の⾯積(177ha)を誇ります。多くの⽂教施設が建ち並ぶ⼀⽅、札幌の原⾵景でもある原始の森や豊平川の伏流⽔の湧き出したメムの跡、希少種を含む多様な動植物相などの⽣態系が⻑年にわたり良好に保全されてきました。生態系や緑地に関する専門的知識・技術をもつ学内の教職員で構成するサステイナブルキャンパスマネジメント本部⽣態環境マネジメントWG主導の下、2009年より毎年実施している生態環境調査(生物相調査)の結果を活用しながら、⽣態環境保全管理⽅針に沿って持続的な緑地の保全、管理を実施しています。札幌キャンパスの自然共生サイト認定区域はこちらをご覧ください。

関連リンク