本学農学研究院加藤博美研究員(現 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)、清水池義治准教授らの研究グループは、採卵鶏生産システムにアニマルウェルフェア(AW)*を導入した場合の影響を多面的に明らかにしました。
研究の結果として、採卵鶏生産システムを AW に配慮することにより生産コスト・小売価格は高くなると推計されました。また、農家の経済的負担、労働人数・時間の増加、農場面積の確保も導入課題として示されました。今後は、得られた結果を基に様々な生産システムの導入への議論を活性化し、消費者の理解を深め、社会的な政策判断のコンセンサスを得ることが社会全体として重要であると考えられます。
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*アニマルウェルフェア(AW)
世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)の勧告において「動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されています。家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながると考えられており、日本国内でもアニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及が進められています。
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