本学は,国立環境研究所や青山学院大学などと共同で,脱炭素化のための技術がもたらす倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)について検討する「脱炭素化技術ELSIプロジェクト」(代表=江守正多・国立環境研究所地球システム領域 副領域長)を進めています。

 

本学からは、三上直之准教授(高等教育推進機構)が社会学の観点からプロジェクトに参加し、「テクノロジーアセスメントグループ」のリーダーを務めています。

 

気候変動対策に関するパリ協定が2015年に採択されたのを契機に二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を今世紀半ばまでに世界全体で実質ゼロとする目標に向けて国際社会の動きが活発になっています。排出実質ゼロの実現には、産業や経済システム、ライフスタイルの大きな転換が必要ですが、同時に脱炭素化に寄与する技術のイノベーションにも期待が集まっています。ただ、新たな技術の導入が急速に進む場面では、その社会的影響にも十分配慮する必要があります。副次的な影響を早い段階で明らかにし、それらに対応しつつ脱炭素化技術の開発・利用を進めるには,技術の専門家や幅広いステークホルダー、一般の市民を交えた対話も必要です。

 

本プロジェクトは、科学技術の専門家だけでなく、社会の諸分野のフロントランナーらとの対話を通じて、ELSI (科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題)の視点を取り入れた脱炭素化技術の評価枠組を開発することにより、この分野における RRI(責任ある研究・イノベーションresponsible research and innovation)の推進に寄与しようとするものです。2021年9月から2022年2月にかけて、社会の諸分野で持続可能な社会への抜本的な変化を牽引する「フロントランナー」や、脱炭素化技術等の専門家ら計26人と、脱炭素化技術のELSIに関する連続対話を行い、このほど、その結果や開発中の評価枠組の案をまとめた報告書「脱炭素化技術のELSIとその評価枠組」を公表しました。

 

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「脱炭素化技術の日本での開発/普及推進戦略における ELSI の確立」の詳細はこちらをご覧ください。

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「脱炭素化技術テクノロジーアセスメント」の詳細はこちらをご覧ください。

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