温暖化が急速に進む北極域では、環境の変化だけでなく人間社会への影響が生じており、その影響は北極圏外の自然環境や社会にも及びつつあります。このため、環境変化の実態を把握し、社会・経済的影響に対する解決策・適応策・緩和策を見出すことが国際的に急務の課題となっています。本事業は、北極域研究センター、工学研究院、地球環境科学研究院、理学研究院、スラブ・ユーラシア研究センターが協力して、国内の産学官連携ネットワークを強化し、国際連携研究拠点として海外研究機関と共に「フューチャー・アース(FE)グローバル北極域ネットワーク(Future Earth Global Arctic-Net,FEGA-Net)」を立ち上げて、世界の北極研究者とともに、変化しつつある自然環境の実態とその変動メカニズムの解明、北極域のニーズに対応する持続可能性についての研究、変化に直面する社会・経済の持続的発展のための政策の提言に取り組んでいます。北大内では、FEやSDGsに関心のある部局や研究者とともに、北海道大学FEコンソーシアム(HUFEC)を結成し、FE日本委員会の会員となって活動しています。また、大学院環境科学院への北極域研究センターの参画を含めた改組を通じ、北極分野において活躍できる人材の継続的な育成に繫げることを目標としています。
 
※上図は、FEGA-Net模式図。FEGA-Netでは世界の学術的知見の集積を目指し、変化しつつある自然環境の実態とその変動メカニズムの解明、北極域のニーズに対応する持続可能性についての研究、変化に直面する社会・経済の持続的発展のための政策の提言に取り組みます。すなわち、FEの北極域ネットワークの構築を目指します。