これまで博士課程進学というと、大学院までの研究を深めて大学や研究所のような研究機関への就職を目指すと考えられていましたが、最近の急激な技術の高度化の中、Society 5.0を支え、持続可能なイノベーションを切り拓く人材として、高い専門性をもつ博士課程修了者が企業をはじめ、社会のあらゆる分野で求められています。一方で、従来の大学院教育では、このような要望に十分に応えることは難しい面がありました。そこで、高い専門性に加え、社会で即戦力となるように、異分野への理解力に優れ、国際的なリーダーとなる素養を備えた博士課程修了者を育成する本プログラムが2013年にスタートしました。本プログラムでは化学系大学院を中心に、数学、生命科学、物質工学を専門とする大学院生を対象とし、数理連携と科学技術コミュニケーションを取り入れることで、新たな大学院教育を推し進めており、既に50人近くの修了生を輩出し、その多くは産業界で活躍しています。
*: Society 5.0 is a human-centered society that balances economic advancement with the resolution of social problems by a system that highly integrates cyberspace and physical space. It was proposed by Japanese government in the 5th Science and Technology Basic Plan as a future society that Japan should aspire to.