経済という言葉は、「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」という意味の熟語である經世濟民を略したものです。したがって経済は、経済学の範囲だけにとどまらず「社会全体をよくして人々を幸せにすること」をあらわす概念です。経済学部では、経済学、経営学、会計学、統計学をはじめとする非常に幅広い領域を扱いますが、それはまさに、社会全体をよくして人々を幸せにするための学問群です。まさにSDGsを達成するための学問群といってもよいでしょう。
SDGsの17目標は、貧困、飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー、水、エネルギー、働きがい、産業と技術革新、不平等、住み続けられるまちづくり、消費と生活、気候変動、海の豊かさ、陸の豊かさ、平和と公正、グローバル・パートナーシップと多様な領域を網羅しています。実は、これらのほとんどすべてが、経済学部で学ぶことのできる内容と密接に関連しています。たとえば開発経済学は、途上国の貧困や飢餓の問題を正面から取り扱います。国際経済学や国際経営論は、グローバルな視点で経済現象や経営現象を捉えるとともに、さまざまなパートナーシップについても考察します。また、労働経済学や人的資源管理論は、働きがいや働き方を科学的に検討します。これらは経済学部で学ぶ中でのほんの一例に過ぎません。
現代の世の中は、あらゆることが経済活動と密接に関わっており、経済活動とSDGsとも密接に関わっています。このように考えていくと経済学部は、SDGsを理解するための最適な学部であるといえるでしょう。