SDGs達成には参画するメンバーに科学に基づく共通認識が不可欠なので、食料・資源・エネルギー・環境に関する優れたリテラシーを持つ人材は、今後ますます社会で望まれるのではないでしょうか。これまでに、農学部はこうした分野における地球規模の問題解決から地域の農林業およびその関連産業の持続的発展まで、さまざまなレベルで最先端の教育・研究を行ってきました。その大きな目的は、生物資源と環境との調和をはかる広い視野と、生存基盤に関わる高度な専門性の両方を有する人材の育成です。輩出した人材には札幌農学校の先輩が残した進取の気風が受け継がれ、企業から高い評価を受けています。
農学部で進められている個々の研究をSDGsの目標に照合すると、17の目標のうち16がカバーできます。これにより、農学部は全体としてSDGs達成に向けた総合知の構築を目指していることになります。一つの学部でSDGsに関するさまざまな研究が行われ、関連する講義が用意されていることは幅広い視野を養う上で大きな助けとなるはずです。農場や牧場を利用した生産実習や、学生の企画・運営により北海道の生産者が道産食材を加工・販売する「北大マルシェ」などのイベントを通じて、実際の生産や流通を経験することもできます。
農学部卒業生は多くが大学院に進学するほか、国・地方公共団体や研究機関、また、製造業、金融業、情報通信業等の民間企業で活躍し、食料・資源・エネルギー・環境問題や産業の持続的発展などに取り組んでいます。