地球環境科学研究院 藤井 賢彦研究室では、NPO法人里海づくり研究会議が進める「海洋酸性化適応プロジェクト」(日本財団の助成事業)に協力しています。
世界的な規模で進む海洋酸性化は、沿岸域でもその進行が報告されています。水産業への影響が懸念されますが、特に脆弱な貝類養殖の適応策は重要な課題です。しかし、日本では、国、県、貝類養殖業者も含め、持続可能な漁業生産を守るための適応策は今のところ検討されていません。特に、沿岸貝類養殖の海洋酸性化への適応策は喫緊の課題ですが、科学的知見の収集、問題解決のためのネットワーク、そして適応策実施に関する具体的な取り組みはありません。
本プロジェクトは、我が国のカキ養殖産地から3つのモデル海域(岡山県日生、宮城県志津川湾、広島県広島湾)を選定し、効率的なモニタリング手法を構築して分野横断的ネットワーク(科学・政策・利害関係者)の基礎を確立するとともに、「適応策」に関する世界的な知見を収集整理して検証し、日本沿岸における効果的な「適応策」と実践体制を提案することを目指しています。